漫才を観に行った

 お笑い芸人を目指している友人から招待を受け、漫才のライブに行って来た。テレビに何回か出た事がある人から養成所1年目の訓練生(というのか?)といったレベルの非常に幅広い人たちが一緒くたになったライブで、30組ほどのユニットが持ち時間4分ほどで次々と漫才を披露するというものだ。視聴者はアンケートに面白かったユニット3組までを紙に書いて、全組が終わったあとスタッフが回収し上位2組が勝ち抜けで次回のライブに出られるという、ランキングバトルのようなものだ(ぼくはそういうシステムだということをライブの終わり際に知ったのだけれど)。


面白い上位3組を選ぶのに苦労した。良い意味ではなく悪い意味で。笑わせたいポイントはなんとなく分かるのだがタイミングというかリズムがイマイチなユニットが多く、ボケも分かりづらいものが多く、どうにも笑えない。じっさいぼくだけではなく、会場全体がどっと湧いた回数は数える程しか無かった。きっと今日のライブでは手応えがあった芸人さんより無かった人のほうが圧倒的に多いだろう、という印象だ。ぼくの友人もその日はキレが良く無かったようで(いつもは凄く面白いのだけれど)、残念ながら上位2組に選ばれそびれてしまった。


知らない他人が知らない他人をいきなり笑わせるというのは非常に大変なものだと、今日観ていて感じた事だ。いくら内輪でウケるネタだとしても、むしろ内輪でウケるネタこそ、他人に笑ってもらうことは難しいように思う。多くの他人にとって面白いだろうと思う事柄を想像し表現を考え、それをさらに自分流の色を付けて制限時間内に舞台に乗せる。とてもじゃないが自分には出来ないことだ。


終わったあと出場した友人に会いにゆき、彼女は予想通りずいぶんと悔しそうだったけれど、またライブに呼んでね、あと今度久しぶりに飲みに行こうよと約束して別れた。