ブラック・スワン

曇り空に雨が混じり、かと思えば雲の切れ目に太陽が覗く変な天気。今日は修理に出した自転車のホイールを取りに、またショップがある江戸川まで車を走らせた。同じ都内とはいえども片道クルマで1時間半くらいかかるものだから、運転好きで良かったと思う。

少しずつ洋画をDVDで観るようになっている。最近は西部劇にはまっているのでそれを1つと、なんか気になるのをもう1つ借りる。そのなんか気になるのの1つが先週は『ブラック・スワン』だった。結構暗い話だという触れ込みで、そういう暗い話を観てみたいテンションだったので借りてみた。

バレリーナのナタリーポートマンが精神的に追い詰まりながらもトップを目指して行くというストーリーラインで、華やかに上り詰める一方で精神的にはどんどん病んでいき、幻覚が現実を侵食していきながら物語はクライマックスを迎える。全編的に鬱屈した緊張感が続く映画だが、最後まで興味深く楽しんだ。

クライマックスの一つ前に、主人公が一つ殻を破る(ように見える)のだけれど、その後にもう一つ殻を破り成長して、その後半の成長の仕方に凄い安心というか、良いなぁと感じた(一応ネタバレに配慮しているのであまり詳しく書かない)。漫画の『プラネテス』の主人公が辿った成長や、ファイトクラブの主人公が最後に得た境地に近いものがあったと思う。

ただおれがこの映画を観おわって一番感じたのは、主人公が最初から最後まで孤独のままだなということ。主人公がコーチやライバルや身内から色々とアドバイスを受けるのだけれど、最後の自分の成長に到るまで、本当の自分の気持ちを誰にも相談できないままで、結局は自分ですべて考えて自分で気付いたという印象だ。それが天才ゆえの孤独なのか、主人公の性格からしてそうなのか、映画の作り方としてそうなのか、判断はつかないのだけれど、ただ孤独だなぁと思いながら観た。