去年の事

大晦日は地元の友人宅に集まって、すき焼きを食べながら紅白を見て過ごした。日付を跨ぎそうな頃合いに帰宅し床に着くも、どうにもそわそわして寝付きがよろしくない。

元日の朝は6時頃に起床し、両親と車で荒川まで初日の出を観に行った。橋の上から観た東の空には雲がかかり、初日の出らしい初日の出ではあまり無かったけれど、天気は悪く無く反対側を見やると薄ぼんやりと富士山がみえたりもしたので、おおむね満足して帰路に着いた。地元の神社にお参りに行き、雑煮と御節を食べたあとは寝不足気味だったので少し眠った。

昼過ぎに目を覚まし、冷蔵庫を開けるとビールが少なかったので買い足そうと家を出た。歩いて向かった近所のスーパーはあいにくと閉まっていたので、割高になるなと思いながらもコンビニで酒とお菓子を買った。


歩きながら去年の事を考えた。今日の今が比較的平穏な気分で居られるのは、去年がマイナスからゼロに戻った年だったから、だと思った。単純に無かった職を再び得る事ができたというだけだけれど、その事でとりあえずは社会の営みの参加者として、とりあえずの生活をする事が出来ている。無職というマイナスポイントからサラリーマンというゼロポイントに戻っただけで、お金の過多はともかくとして、それなりの平穏な気持ちを得ている事に気がついた。昨日までにそういった去年の振り返りができなかったのは、多分今日のこの平穏な気持ちに気付けなかったからだと思う。

このまま何も大それたものを欲しなければ、もうしばらくはそれなりの生活とそれなりの平穏を維持できるのだろうとも思った。けれども、いま自分の中にある欲求や、これから成し遂げたいと考えている事や、他人や社会から薄々期待されているものを手に入れようとする時には、きっと今の生活や平穏から少しはみ出た場所に足を踏み出さなくてはいけなくて、それはそうしようとする意思を持たなければ果たせないものなんだろうなと考える。そのはみ出た場所に足を踏み出すことは、マイナスからゼロに向かうのではなく、ゼロからプラスに向かう事なのだと思う。

そういった事を楽しんで取り組む事ができるのならば今年はきっと楽しい1年になるのだろうと思う。