ローラー台の事

元旦の夜はお酒を若干飲みすぎてしまい、23時前には就寝。6時に目覚ましを鳴らして目覚めるものの、寒さで二度寝し9時ころに起床した。リビングのテレビでは箱根駅伝を映しており、母校の順位が随分と低い。風が強いようで迷ったけれど、自転車に乗る事にして家を出た。午前中は人出も車も少なめで走りやすい。オーバーホールの恩恵で、ペダルの回転抵抗が若干軽くなり、メカニカルノイズも減っていて静かでよろしい。

練習コースとしては定番の、荒川沿いにある彩湖のサーキットコースを何周か走る。サドルのポジションに違和感があったので何周かしたあとに修正した。さすがにこの日はバイクもランも少なめだけれど、子連れで遊びにきている家族は多くいる。凧が何個か(凧というのは、どう数えるのだろう?)上がっていて、正月だなと思う。90分ほど走り、近場のマクドナルドで昼食をとり帰る事にする。


今年一番の自分の中での変化は、転職とかもあるけれど、実は自転車のローラー台に乗ることが習慣づいた事だったと思う。1月から向こう、特別な理由がない限りは2〜3日に1回は乗るようになった。ホビーレーサーの中でも、これでも沢山乗っているとは言い難いペースではあるけれど、昔に比べればずっと多く乗っている。何しろローラー台を買ってから1年半くらいはローラー台は単なるオブジェクトとなっていたのだから、それを考えればけっこう大きな変化だ。乗らない日が数日続くと落ち着かなくなり、若干のストレスを感じる程度には習慣づいてしまった。1月から一人暮らしの家でローラーを始め、5月からは就職が決まり、さらに7月からは実家に移住したりと色々と環境の変化があったけれど、うまいこと適応して継続している。

ローラー台に乗るべき理由は色々とある。今より速く走れるようになりたいとか、とりあえずチームメンバーの中では一番速くありたいとか、体重を維持したいとか、乗った日は沢山食べられるとか、仕事のストレス解消とか、単純に身体を動かすのが気持ちいいとか。こう羅列してみるとメリットばっかりで、ローラー台に乗ることが凄いお得な事であるように思える。

とはいえ、乗るときは毎回楽しい気持ちで乗っているかといえば別にそうでもない事も多い。半分くらいは、乗る瞬間まではどちらかといえば憂鬱な気持ちになっている。乗らなきゃ…という義務感(かなりある)と、準備が面倒だなぁと思う倦怠感と、乗らない事への罪悪感みたいな感情が支配している時もわりとある。乗りさえすれば気持ち良くて大量のメリットがあることは経験的に分かっているはずなのに、どうしてそういうマイナスの気持ちになるのか自分で自分に問いかけたくなる。同時に、たびたび厭な気持ちになりながらもここまで継続して乗れているのも不思議といえば不思議だ。

この、ローラー台によって得られる未来の効用への想像と、その実行を妨げるマイナス感情との綱引きはわりと面倒で、それがたびたび起こるという事はひょっとしたらまだ本当の意味での習慣になっていないのかなと思うときがたまにある。呼吸するように、というのはまず無理だとしても、風呂に入るようにローラー台に乗れれば良いのにと思う。