岸辺露伴が動かないやつの事

岸辺露伴は動かない』が何時の間にか出ていたので、土曜日の仕事帰りに買った(のが半月くらい前)。5話が収録されているがそのうち2つは未読だったのでちょっとお得感があった。最初の1話と残りの4話でかなり執筆時期が離れていて、確か1話目のやつは5部がやっていた辺りだったと思うが、画風が懐かしかった(鼻の描き方とか)。やっぱり近年、SBRの最終盤からあたりは眼をちっちゃく離して描いてるなぁと思う。GUCCIに行くやつはジョジョ展で壁に貼ってあったのを観たような記憶があるが、混んでいてろくに読めなかったのでちゃんと読めて良かった。とはいえやはりカラーで読みたいというのはある。

どれもだいたい楽しく読めた。特に『富豪村』なんかは抜群に良い。得体のしれない力が不気味かつ半強制的に選択を迫るみたいなのは、なんかこうホラーの本質的な恐ろしさを表現しているような感じがあって良い。トウモロコシを置いてあるだけの絵でこれだけ恐怖感を掻き立てるのは凄いと思う。最近のジョジョは(SBRの後期あたりからだが)トリックをいささか無理矢理解決させるような、ロジカルな説得力がちょっと弱い印象があるので、逆にこういった理不尽なホラーめいた作品のほうが合っているように感じた。