2014年8月に観た映画

もう9月も後半戦に差し掛かる。日差しは強いが風は冷たい。


ガルシアの首』(Bring me the head of Alfredo Garcia)
メキシコの地主の娘を孕ませたというガルシア。地主は彼の首を持って来いとギャングを使って捜索する。酒場でうらぶれた生活を送っている男ベニーにもその情報が入り、彼は一攫千金のためガルシアを探すが…。メキシカン任侠モノというかんじ。敗者の生き様というか、男独特の美学みたいなものが感じられる良い映画だった。終盤に、行こうぜ、と語りかけるシーンが実に良い。運命が決まってても、精神的な意味合いの寄る辺というか居場所を見つけられたらそれは幸福なんだと思う。


『真実の行方』(Primal Fear)
大司教を殺害した容疑で逮捕された少年(エドワード・ノートン)を、弁護士(リチャード・ギア)がプロボノで弁護に臨む。エドワード・ノートンの演技が凄い。裁く事と弁護する事の難しさを思う。原題どおり、最後はぞっとするような恐怖を味わう。


『つぐない』(Atonement)
お金持ちの令嬢セシリアと、その使用人の息子ロビーは恋に落ちる。しかしその光景を見ていたセシリアの妹ブライオニーは…。無垢な誤解とそれに伴う行動から激変してしまう運命の奇妙さが描かれる。寓話的なカットというか演出方法が面白い。よく言われる戦場での長回しのシーンも凄い。原作はブッカー賞受賞作品で、名前だけ知っていたので今度読んでみようと思う。『プライドと偏見』と妙に雰囲気が似ていると思ったら、同じスタッフらしい(まぁヒロイン一緒だし)。


『あの日みた花の名前を僕達はまだ知らない』
高校生で引き篭もりの主人公じんたんの前に、不慮の事故で死んでしまった幼馴染めんまが突然現れる。彼女は生前の願いを叶えて欲しいとじんたんに頼み、それがきっかけで小学校の仲良しメンバーが再び集まり始めるが…。中盤くらいまで、めんまは幽霊じゃなくて主人公の妄想だと思って観ていたので後半の展開はちょっと困惑した。幽霊いない派なので。主人公たちが高校生ということもあり、さすがに同じ目線で感情移入はできなかったが、あれくらいの年齢ならああいう心象だろうなというリアリティは感じた。それにしてもZONEの歌はずるい、あれは泣く。