『ゲット・アウト』

Amazonプライム・ビデオで観た。以下ややネタバレを含む。

 

“ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、ある週末に白人の彼女ローズの実家へ招待される。若干の不安とは裏腹に過剰な歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに多くの友人が集まるが、何故か白人ばかり。”

 

主人公クリスは自分の肌の色にコンプレックスを持っていて、ローズの家族に受け入れられるか不安に思っている。ローズはそんなの杞憂よと言って明るく励ますのだが、実際にローズの実家に行くとそういった差別意識を刺激される会話がチクチクと交わされる。そういった冒頭だったので、人種問題をテーマにした暗めの話かと思い観ていた(過去形)。だが、色んな意味で期待を裏切ってくる面白い映画だ。サスペンス?ホラー?そんな感じである。思えば、最初の実家に向かうドライブのシーンであるアクシデントが発生するのだが、見終わってみればそれがサインだったのかもしれない。

 

世界観の作り方がとても独特で引き込まれる。こいつ狂ってるなーと思うキャラの狂い具合というか表情が凄くいい。とにかくキャラの個性が光っている。特に主人公の親友の黒人がとても良い味を出している。キューブリックとかヒッチコック的な絵作りを意識しているようで、そんな雰囲気がそれっぽく出ているのも耽美感があってよい。

 

教訓とか学びとかは特に無いように思える映画なのだが、そういう割り切りがあるのが逆に潔くて良いと思った。計算されたヘンテコさ、勢いと引き込む力があってつい最後まで観てしまう面白さがあった。ジャンルを書く事がネタバレになってしまうような特殊な映画なので、気になったらぜひ観てほしい。

 

 

ゲット・アウト(吹替版)

ゲット・アウト(吹替版)