『自分で選んだ』というバイアス

 自分は普通の人に比べると多少映画を観ているほうだと思うが、クソ映画に当たることは少ない。それは長年培った選球眼(ドヤァ、おれのオススメ映画マジ損しないから、絶対観てくれよなドヤァくらいの自信はある。)と、信頼出来る人からのオススメしか観ないというのもある。最近読んだ本で「映画はつまらなかったら15分で退出するべし」みたいな論を見かけたが、それは勿体ないなと思う(その本では『勿体ない』と思うことが無駄だと書いてあったが…)。とりあえず全部観て判断する。そして、全部観終わると大抵は何かしら得たものがあったなと思える。

 

去年になるが、ジョジョの実写映画を観に行った。ジョジョ好きの友達に誘われたのだが、正直観る前は「おれは観終わったあと『HOLY SHIT!』と言う。」くらいの勢いで座席に座った。実写映画は大抵碌なことにならない。そんな先入観もある。それでも観終わってみると「…まぁまぁ良かったんじゃあないか?」くらいの評価になった。いやホントマジ…マジ…な部分も沢山あったが、良かった部分も沢山あり、ちゃんと言語化もできる。けれども世間ではかなり酷評らしい。

 

思うに、自分でお金を出して行ったとか、自分で時間を作って何々をしたといった、自分で何らかのコストを支払って得た経験というのはかなりプラスのバイアスが働いているなと感じる。脳は基本的に気持ちの良い方向に流れるというが、何かしら頭の中で整合性や一貫性を取っているんだろうなと思う。お金を払ったから良いものだった、時間をかけたから良いものだった、という感じ。けれどもそれで良いと思う。100%客観的な評価なんて出来っこないし、主観的な評価を含めて自分の意見だ。良い事を探して自分の生き方にプラスになれればそれは良い事だ。