役割分担

20代の頃、社会人になってからも学生時代の友達とは年1回くらい泊まりを含む旅行に行っていた。だいたい夏ぐらいの、お盆どまんなかではなくちょっとだけ混雑をずらすような季節にしていた。だいたい仲のいいメンバー5人で行っていたのだが、みんな休みがカレンダー通りでもなかったから1泊2日という強行日程もザラだった。もう何年も行っていないが、今でもやりたいなと思う。ライフスタイルがみんな変わってしまっているのでなかなか難しいけれど。

 

夏前くらいになるとメンバーの中で一番行きたいやつ(仮に井村とする)が「今年もどっか行きたいなー行こうぜー」とメールで呼びかける。そうしてメンバー全員が一度集まる。そこでなんとなくワイワイ話しながらおおまかにどこに行くかを決める。どこに行くかを決めたあとは、具体的にどういうルートで観光するか、どこに泊まるかなど全ておれが決めていた。飛行機とホテルの予約、ルート選定、スケジュール割、予算などだ。

 

そういった細かいことを考えるのは好きだし苦にもならないから普通にやっていた。ドラッカー的に言えば井村がリーダーシップ、おれがマネジメントということになろう。戦略的と戦術的だと言い換えてもいい。王さまと軍師みたいな。

 

最近休日に人を集めるイベントを色々と企画しているのだが、そのイベントはおれが「やりたいなーやろうぜー」と言い続けていたところ賛同者が現れてくれたというパターンだった(とても有難いことです)。その賛同者はおれの友達なのだが、仮に中町さんとする。そうして中町さんとやるぞーと決めたあと、中町さんは早速翌日に詳細なタイムテーブルや予算などを送って来てくれたのだった。それを感心とともに眺めながら、「あ、これ昔おれがみんなで旅行行ってたときのおれの役割を、中町さんがしてくれてるんだ。」と気付いたのだった。

 

たぶん、旅行の例でいうと一番行きたいやつが井村で、イベントは一番やりたいやつがおれだったのだろう。一番やりたいやつが主導していると、(自然と)周りがマネジメントに回る。当たり前なのだが、クラスタというかコミュニティというか、メンバーによって役割が自然と決まって行くような現象に見えて、なんだか面白いなと思った。