寄る辺の事

昔読んだメンタルケア系の本で、心の平穏を保つために重要な事は、『寄る辺』がある事だ、というふうな事が書いてあった。家でも家族でも貯金でも、たぶん趣味とかでも良いと思うのだけれど、これだけは心の支えになりうると確信を持てるものがあれば、嫌な事や辛い事があっても挫けずに居られる、という事だと思う。たとえば『かもめチャンス』という自転車の漫画では、ノーブレーキの自転車乗りをロードバイクで負かした際に「ブレーキがあるからこそ全力で踏む事ができる」というふうな台詞があって、それも同じ事だと思う。後ろ盾があるからこそ、全力で嫌な事(仕事とか)を頑張ったりできる。それはたぶん一種の精神的バックアップ的な意味合いで、この論旨には結構共感をしている。


個人的にそういった寄る辺としては趣味の自転車があって、何もかもがダメになったとしてもたぶん自転車に乗ればペダルを全力で踏む事ができるだろうなと思っている。無根拠な確信だけれど、それがあるから今を頑張れるというのは少なからずある。その辺りは古い記事にいちど書いた。


エヴァQを観ていて、あれは最終的にはシンジ君が自立するまでの物語なのだろうと思って観ていた。あのときのシンジ君の寄る辺はカヲル君だったと思うのだけれど、そういった、人を寄る辺として求めていると居なくなったときに手痛いダメージを受けるよ、そう言いたいのかもと思った。(個人的には人を寄る辺と出来るのは悪いことじゃないし、むしろ羨ましいと思うけれど)