動物のショーを観た事

土曜日は都内某所にある水族館に行ってきた。あまり大きくはない施設だったけれど、アシカとイルカのショーをそれぞれ1時間おきにやっていたので、アシカ→イルカ→アシカの順番で観て、ショーの合間に水槽を回るというていになった。なぜアシカを2回観たかと言えば、お付き合いしている女性がもう一回観たいという要望があったからです。


 水族館は数年前に沖縄のそれに行ったりした事があったけれど、ショーめいたものはそういえば一度も観た事がなかったなと思う。幼少の時分に観たかもしれないが覚えていない。そういうわけで、初めて見るような気持ちで観賞した。アシカショーは2体続けてショーをして、小さい奴が鼻にボールを乗せ、その後椅子を乗せ、人形を乗せたりしていた(他にも色々と)。大きい奴は鼻にボールを乗せながら縦に回転するとか、観客が投げる輪投げを首で拾うみたいな芸をやった(他にも色々と)。イルカは6体くらいが大きいプールで遊弋しながら、音楽やインストラクターに合わせてジャンプしたり水面を立ったり観客に水を掛けるなどしていた(他にも色々と)。イルカのショーはなんとなく概念としてはイメージがあったのだけれど、実際に観てみるとなかなか迫力があってよろしい。子供向けという感じでもなく、ちゃんと大人が観ても面白いものだった。芸を披露するたびに出る言葉が「すごい」ばっかりだったおれは、そのうち自らの語彙の少なさにちょっと落ち込んだりした。


 当たり前の事なのだが、観賞して改めて思った事は、動物に芸を仕込むというのは、基本的にギブアンドテイクで成り立っているのだなぁと言う事。イルカはジャンプとかが成功するとインストラクターが餌?をあげる。アシカの場合はもっと常時、芸をしようがしまいがインストラクターが餌?をあげていた。アシカは意外と凶暴らしいので常時ご機嫌を取っていなければいけないのかもしれない。インストラクターと動物との間でなんか良く分からん、2人だけに通じる合図でもって特定の芸を披露するというのは、なんだかある意味プログラムに似ているなと思う。その合図が言葉なのか音楽なのか手信号?みたいなものなのかは知らない。


 イルカにもアシカにも共通する芸として、観客に手を振るというのがあり、これもすげぇなあと貧困な語彙でもって観ていたのだけれど、この手を振るという動作、イルカやアシカにとっては特定のプログラムの実行コードの出力でしかないんだろうなと思った。こう、人間が誰かに手を振るときに起こる感情は、イルカやアシカは(たぶん)無いんだろうなと思った。それを可哀相とか哀しいとかは思わないのだが、ただそういうふうな印象を、手を振るという芸をする動物に対して思った。