体調と感情

知り合いが、やや重い病気のため薬を飲んでいるのだが、その薬の副作用が結構強いという話を聞いた。なんでも、ひどい時は鬱病のような症状になり(本人は普段は元気で明るいほうだ)、一日中寝ていることになるという。どれくらい鬱っぽいかというと、寝返りをうつ事すら面倒になるレベルだという。無気力になるという感じか。椅子に座っていてもずっとそのままで、立ち上がることも面倒になるのだという。副作用が無いときや症状が軽いときは全然そんな風に思わないというので、なるほど薬の副作用というのは想像以上に強いものがあるのだと思いながら聞いていた。知り合いが言うには、そうやって身体が思い通りに動かなくなること、それ自体もかなりのストレスでイライラしてしまうのだという。確かに、おれの目から見ていても最近イライラしてるなと感じることが多い。

 

身体というのは思った以上にどうにもならない事があり、感情というのもその身体の状態に最適化されるんじゃないかと思う。どうにもなろうとどうにもなるまいと、身体は感情の影響を受ける。今回の彼の例でいうと、身体が不調のため感情も不調になっているというパターンだ。鬱のスパイラルというか。スパイラルというよりは、実際には落ちるところまで落ちてそのままぐるぐると低い部分で安定しているようなイメージ。

 

逆の例でいうと、よくライフハック?とかで、悲しくても笑うとなんか元気になるとかいうやつがある。これは確かに、自分の経験からしても同意できる。同意できるのだが、でも今回の彼の例みたいに、身体がどうしようもなく重い病気や副作用があるという状態で、なんとか身体を無理やり動かしたり笑ったりする(そういうアドバイスを別に誰かが彼に言ったわけでも無いのだが)。それは、川の流れに逆らうようなものであんまり身体にも良くないんじゃないかと思う。身体に良いかもしれないけれど、自然なのかな?と思う。生き物の自然な状態として身体が病気や薬の副作用に反応した結果、ネガティブな感情になっているわけだから。

 

感情はコントロールできるみたいなライフハック?をよく見かけるけれど、改めて思うと恐ろしく高度な事をやろうとしているのだと感じた。感情をコントロールする動物なんて人間以外には居やしない。