映画『ピーターラビット』感想

映画館で観た当初の感想をアップする。ネタバレあんまりなし。

 

レイトショーで観た。親子連れやカップルなど2人以上で観ている観客が多かったふうに思う。

イギリスの田舎町、4匹兄弟の中でも悪戯好きのピーターは今日もマクレガーさんの畑を荒らす。殺るか殺られるかのバトルを繰り返す日々だったが、ある日マクレガーさんが心不全で亡くなる。家主がいなくなったマクレガー家を乗っ取り乱痴気騒ぎに興じるピーター以下動物たちだが、親戚の若マグレガーが移り住む事になり…


なかなか面白いコメディ映画だった。ただけっこう人を選ぶように思う。じゃあそれでいて、選ばれる人、ターゲットはどのあたりなのだろうと考えると、イマイチ分かりづらい。結論からいうと、ターゲットを広く取りすぎて焦点がブレているように感じた。面白いっちゃ面白いのだが。自分はかなり肯定的なスタンスで観ていたがけっこうつまらないギャグもあった。場面によっては一気に冷めちゃう人もいるだろう。また、ツイッターの感想見て期待値を上げすぎているとつらいと思う。


メタ的なギャグが多い(いわゆる『第四の壁』を越えて語りかけてくるギャグ。例えば、冒頭で、雀が飛びながら爽やかな歌を歌うところに『こんな牧歌的な映画じゃねーから!』みたいなツッコミをいれながらピーター登場、みたいな。)。こういうノリが苦手な人は厳しいだろうと思う。かと思えば、子供騙しのようなギャグからシュールなもの、イギリスらしいブラックジョークまで幅広い。広すぎて、笑えるものと笑えないものの差が激しい。それでも後半になるにつれてノリと勢いが加速してくるので、区別なく面白くなってくるのだが。


ストーリーに関しては、ウサギ連合VSマクレガーの戦いと、マクレガーとビア(ヒロイン)のラブロマンス、そしてビアを巡るピーターVSマクレガーという構図になっていく。ラインはしっかり出来ているし、激化していく争いが産む悲劇からその収束までしっかりと書けている。ストーリーがしっかりしているので、後半からギャグとバトルのテンションが上がってきてラストまでしっかり盛り上がる。


リアリティはほぼ無い。良い意味でも悪い意味でも。このポイントを、観る側が序盤で同意を取れていないとかなり厳しい。導入時のメタギャグと、ウサギが服を着ている時点で察しろなのかもしれないが、それにしては造形がリアルすぎるので、リアルレベルの腹の落とし所が難しい。バトルも荒唐無稽である。ダイナマイトと電柵を、人間ではなく動物が使いこなすんだぜ。なんかもうちょいウサギの生態とか動物の特徴を活かしたキャラだったり、動物の豆知識みたいなものを散りばめていくかと思ったが別にそんなことはなかった。


ピーターは、イキってるインテリ不良みたいな感じのキャラで、個人的にはあまり好きな感じではないが、まぁウサギ相手にイラついても仕方ない。 ベンジャミンはデブの親友枠。


なんか教訓めいたエピソードも特になく、でもきっちり良い場所に着地するストーリーで、ギャグもそれなりに面白いので、期待値をあまり上げすぎないで観ると良いと思う。ただし、千葉繁のニワトリはガチ。すげぇ。吹替版をオススメする。