目線

よく晴れた祝日。仕事は休みだけれどいつもと同じような時間に起床した。朝練なにやろうかなと布団の中でうだうだと考えていたけれど(時間の無駄なのでよくない)、そういえば今日は筋トレの日だと気付き、気乗りはしないが朝筋トレに決定。起き抜けから筋肉に負担を掛けるのはやや怖いので10分ほどローラーでアップしてから開始。ファイトマッスル。アップしていてもやや負担を強く感じる。いつものメニュー後は、30分のローラー。SST+1分L5を3回。本当はもう少し乗りたかったけれど、はやめに切り上げて久しぶりに朝ミスドに行きたかったのだ。10時頃にミスドに行ったがまだモーニングセットをやっていてよかった。今日のミスドは珍しくやや混んでいるが静か。いきつけのミスドは静かなのがよろしい。


パワーメーターを導入して、いよいよトレーニング環境極まれりといったところ。毎日通勤中、今日のトレーニングは何をしようか考える。人生これで良いのか、脳のリソースをもう少し別のジャンルに振ったほうが、という気持ちもなくはないが、ここのところいつも以上にローラーが楽しくて仕方ない。トレーニング上、見られる数字が一気に増えたのでその変化をいちいち眺めるのが楽しい。左脚の弱さも意識して回しているとちょっとずつだが改善の兆しが見える。


ホビーレーサーの端くれなりに色々なトレーニング方法を試しながら数年過ぎたが、それなりに成長して行くその時々で見えてくる景色が違うものだなと思う。景色が違うというか、今まで見ていた景色が成長するにつれて変わってくる。自分がそのレベルステージに乗った(ような気がする)ときにようやく、今までやっていたトレーニングの意味が実感として分かる感覚。


情報がすぐ手に入る今では、最初から最高や最適を求めたがる(というか、少なくとも自分は求めたがった)。けれども、成長のレベルにおいて適切なトレーニングというのは違う。四則演算を覚えてからでないと連立方程式が解けないように(例は適当です)、ベースが作られてからでないと特異な練習は意味が無い(効果が薄い)。ベースが出来る、という意味も最近はよくわかってきた。最初の頃は、ベースもろくにできていないのに高強度な練習をよくやっていた。それは時に慢心だったり、時に焦りからそうしていたのだと思う。


ちはやふるという漫画にもあったが、目線を上に向けながら、今立っている場所で地道に積んでいくというのは思ったより難しい。やはり一足飛びに上がって行きたいと思う衝動はある。けれども周りをみていても、本当に強い人ほど地道だ。そういう事も、自分が成長するにつれて分かってきた。近道のようなものが見えていたとしても、遠回りでも地道な道を選べる勇気を常に持っていたい。

人体実験

 ガッデム忙しい一週間。忙しいとき、一週間が9日くらいあればよいと思う。ほんとオワンネ。でも日々は過ぎて行く。ストレスが溜まってくると、まず甘いものを食べたくなる。そして食べる。それはいささか不健康なので、食べた分、あるいは食べたい分だけ運動する。それが出来ない事も多いけれども。


 ペダリングモニターを使い始めてから一週間、データを見ながら都度自分のペダリングの修正を掛けているが、中々簡単に理想型にはならない。先週は、封印されし左膝内側が再び痛みだした。痛まないよう、踏み方やサドルの高さやクリート位置を色々と調整してみたら、今度は膝外側が痛むようになった。何故そうなる…。面白い。


 少し前の記事では、『自分の立ち位置と理想型を知っていれば、自然と良い方向に向かっていく』というふうな事を書いたが、そう簡単にはいかないようだ。モニタリングする事で今の『立ち位置』は分かるし、目指すべき数値といった『理想型』もわかっている。けれども、そのスタートとゴールを結ぶ道はどう進めばいいか。そこまでは分からない。どうするか、について、答えのような情報は沢山転がっている。引き足を意識する、大きなイメージで回す、縦に踏まない、ポジションを変える、などなど。いわゆるハウツーというもの。


 一つを試してみて上手くいったと思ったら、別の部分に歪みが生まれたりする。当たり前だけれど人体は一人一人違うから、ある人の解法が自分にとっての解法にはならない。とにかくトライアンドエラー、自分自身で人体実験をして、自分にとってベストな形を見つけるしかない。

2015年1月に観た映画など

1月が終わった。振り返ればほとんど海外ドラマしか観ていない体たらく。


『めまい』(Vertigo)
刑事である主人公は、犯人追跡中の事故により高所恐怖症になり辞職する。ある時、旧友から、妻の様子がおかしいので調査をして欲しいと持ちかけられ尾行を行うが…。ヒッチコック監督はあまり観たことがなかったけど、全編に漂う不安感と緊張感は流石。サスペンスとして純粋に面白い。


ターミネーター
あらすじを書くまでもないが一応。
機械の反乱により荒廃した未来、人類側のリーダーを産むサラ・コナーを抹殺するため、サイボーグがタイムスリップし襲ってくる。今更の初見。2以降を観てからだとスケール感が小さく思えるものの、アクション、SF、ホラーどの要素も一級品。シュワちゃんがナイスマッスル。



『茄子 スーツケースの渡り鳥』
主人公ぺぺが所属するパオパオビールチーム。チームの一員チョッチは、かつての練習仲間であり最高峰の選手でもあったマルコの訃報を受け、失意の中ジャパンカップに向かうが…。
相変わらずレースの描写がリアルで本物を観ているかのような面白さがある。終盤の激坂で『こんなに苦しいのになぜ走り続けるんだ』みたいな感じで自問自答するシーンがあるのだが、スケールは違えどレース中同じように考える事が自分でもよくあるので、なんか涙が出た。


『ゲームオブスローンズ』(2章の途中まで)
ハイファンタジー小説氷と炎の歌』のTVシリーズ。七王国を統べる王を補佐する<王の手>の死をきっかけに、国内の情勢が大きく変わり始めるところから物語が始まる。大陸ウェスタロスの内戦がメインとなる一方で、北の異民族(プラスα)を隔てるための<壁>を巡る争いや、かつて七王国を統一した家の亡命など、複数のエピソードが同時展開する。
ベルセルクタクティクスオウガ、スカイリム(TESシリーズ)をかなり内政寄りにした雰囲気といえば分かりやすいだろうか。セックス&バイオレンス描写がかなり露骨なため人を選ぶ(女性がホイホイ脱いでアンアンしたり、ゲイがチューしたり、首がポンポン飛んだりする)が、そういった刺激で引っ張るような作風でもなく、ストーリーでしっかりと引きつける。なので、それさえ受け入れられれば圧倒的に面白く、クオリティも抜群に高い。話が進むにつれてどんどん状況がカオスになっていく。一癖も二癖もあるキャラクターがこれでもかというくらい登場し、またあっさりと退場する。基本的に、良い奴というかまともな奴ほど割を食うのが哀しい。根性悪いやつが上に立つとだいたい碌な事にならねぇ。そして根性悪い奴が多い。

最初から輸出するつもりで作っているんだろうが、このスケールをTVでやっちゃうアメリカの物量ハンパない。恐るべき事に原作はまだ執筆中であり、未完案件。原作者はおじいちゃんらしいが、なんとか完結してほしい。


だいたいどれも良かったけど、やはり長々と書いた『ゲームオブスローンズ』が特に良かった。

それなり早めに起床した日曜日。ここ最近の土日はいたく平穏で、何にも予定が無い。そういう状態は本来的にはよろしくないのだが。英語の勉強などしてからローラーに乗り、回復のために昼寝をしてまたトレーニングといった具合である。我ながら生活が自転車に偏り過ぎている。ただ今日は夜からアウェー飲み会があり、緊張や気疲れをしながらもそれなりに楽しんだ。コミュニケーション能力が低いので知らない人との会話がイマイチ上手くいかない。どこまで踏み込んでいいのかみたいな間合いの取り方が下手だなと思う。


大枚をはたき自転車にとうとうパワーメーターを搭載した。今まででもローラーに同じような機能があり計測できてはいたが、パワーメーターは自転車そのものに組み込んでいるので外でも計測できる。更に、ペダリングをしていてどのベクトルにどれだけ力がかかっているかという事まで表示・解析ができるものを買った。ちなみに自転車乗りでいうパワーは、ドラゴンボールでいう戦闘力とほぼ同義である。FTPとかLTとかCP1とかkg/wとかいろいろある。FTPたったのxxxか…ゴミめ。といった感じである。


最初(といってもおとといだが)軽く回して試してみたら、びっくりするほど自分のペダリング効率が悪い事が数字でハッキリと現れた。こんなにハッキリと明示せんでも…という感じだ。色々とペダリングを試してみてもなかなか改善せず(効率の数字が出るのだが、なかなか上がらない)、びっくりしたあと焦ってきて最終的にかなり凹んだ。不安になって色々と調べたら、軽い(出力の弱い)ペダリングではあまり高い効率は出ないらしい(プロは別だが)。ほっとして、さらに翌日、というのは昨日だが、朝練で回してみた。そうしたら、高めの出力の時はそれなりの数字が出てきてホッとした。


とはいえ、出てくるデータを眺めていると弱点というか自分の癖が浮き彫りになる。例えば左右差が自分の場合わりと大きい。利き足の右足に比べ、左足は出力も低くベクトルも安定しない。そういえば昔病院に行った時に、左に体重を傾けていると言われたことがあった。つまり左右の歪みというわけだが、そういった事も実際数字で改めて表示されるとそういうことかと腑に落ちる。



感覚でなんでもこなせて結果まで出せる人がいる。そういう人はいわゆる天才と呼ばれるものだろう。そういう人に数字はあまり必要ない。数字がなくても安定していて、モリモリ強くなっていく。自分はそういうタイプではない。数字を知ることでしか強くなれない。数字というのは弱者の味方だと思う。数字は自分が今どこにいるかを教えてくれる。自分が今どこにいるかが分かり、仮にそれが、どうやら適正な場所でないらしいと分かれば、ベター地点に向かおうとする事ができるだろう。無意識に自然とそうする事もできうる。レコーディングダイエットとかそんな感じだと思う。


数字に限らず、色々な事を記録したり可視化していくというのは、だれにでもでき、比較的手軽で、また場合によっては必要不可欠な生存戦略の一つであるふうに思う。

初動とプロセス

 冬になってからというもの、休日の朝に早起きが出来なくなって久しい。いつもならば5時やら6時やらに起きられていたものなのだが。寒さというよりも目的意識の欠如が原因かと思う。今日の朝も8時半頃に目覚め、自転車を洗ってから久しぶりに荒川へ。強い追い風でラクチンだったが、逆にすれ違う自転車乗りたちは皆大変そうだった。ショップへ自転車を預けて電車で帰路へつく。自転車も無いのにサイクルウェアで電車に乗るというのはなんとなくきまりが悪いので、ウェアの上からスポーツ系のハーフパンツとウインドブレーカーを着て誤摩化した。



 トレーニングのモチベーションが上がらず、調子の良い日も悪い日もなんとなくやる気が出ないというのが続いている。ただ、やる気がなくてもトレーニング自体は実行できているので、そういう意味ではモチベーションに関係なくトレーニングが出来るようになったという事でもある。結果的には良いことなのだが、気持ちが入っていないトレーニングで効果を最大化出来ているとも思えない。


 習慣というのは、継続させる事それ自体が非常に重要な要素であると思う(トートロジー的な言い方になるが)。もちろん継続の先にある結果を得る事が一番の目的であるが。ただ、習慣にしたい事を習慣化出来て分かったが、習慣化したからといってその作業が楽しくなったりという事はあまりない。反復動作のトレーニングだと特にそれが顕著であるふうに思う。


 最近考えている事だが、物事には『初動』と『プロセス』の2つの心理的ハードルがあると思っている。運動で例えると『走り出す』のが『初動』で、『走り始めから終わり』までが『プロセス』。ローラーで例えると『着替えてローラーに乗る』が『初動』、『ローラーを踏み始めて終わるまで』が『プロセス』。習慣化する事で一番効果が高いのは『初動』で、習慣化するとここの心理的ハードルをかなり落とせる(気分が乗らない日でも走れる、など)が、『プロセス』の部分の心理的ハードルはそこまで下がらない(要は『集中できない』『飽きる』など)ふうに思う。


 どんなに楽しい事や為になる事を習慣化できたとしても、オールウェイズやる気MAXなわけではなく、やる気が低下しているときに一番影響してくるのはこの『プロセス』での効果(換言すると、習慣そのものの効用)なのかなと思う。そして、よしんばやる気が殆どない日に習慣を行う事ができたとしても、それが逆にストレスとなり、全体から見たら効用が逆に下がることさえあるんじゃないかと思う。


 それを防ぐためには、プロセスに変化を与えたり、長期的・短期的に明確な目標を設定する事なのだろうけれど、自分の中では明確にこれという答えは出ていない。

2014年12月に観た映画

大型連休最終日。人並みに明日に怯えている。


『RUSH プライドと友情』
事実を基にしたF1レース映画。死と隣り合わせのモータースポーツで全く違う人生観をもつ2人の主人公、どちらにも同じくらい感情移入してしまう良い意味で困った映画。単純に良い悪いじゃ切り捨てられない、ベクトルの違う熱さが良い。リスクの取り方に対する考え方については、自転車競技にもかなり通じるものがある。ちょうど悪天候の大会ですっ転んだ直後に観たのでなおさら印象深かった。



『プレーンズ2 ファイアー&レスキュー』
前作で世界チャンプになった主人公が地元での消防隊員の資格を得ようとする話。消防隊の皆さん(メカだけど)のプロフェッショナル感がカッコいい。『カーズ』と違い、主人公がクセの無い良い奴(多分田舎の好青年をイメージしているんだろうが)なので、キャラクターで引っ張って行くパワーが少々弱い。また、主人公の抱える問題と大テーマがイマイチ噛み合わない感じは受ける。とはいえディズニーピクサーなので安定した面白さはあり、引き込まれる。



『大脱出』
刑務所の脱獄を仕事とするセキュリティコンサルタントの主人公が、脱獄不可能だと言われる刑務所の突破を依頼される。王道ハリウッド映画のラインながら知的な要素もありバランス良し。スタローンとシュワちゃんなのでどことなく脳筋感のある知的さではある。かなり色々と知謀を絞ったあげく最後の脱出方法がマッスル風味なのはご愛嬌か。



スライディング・ドア
主人公が乗るべき電車に『間に合った』場合と『間に合わなかった』場合との展開が同時並行で進む変化球のラブストーリー。隣り合った世界で同じような展開になるのが面白い。演出がどことなくノスタルジックで良い雰囲気。元カレがわりとクズい。



『茄子 アンダルシアの夏
ブエルタ・ア・エスパーニャのステージレースを描く。自転車やっているのに今回初めて観たという。本物のレースさながらの展開とリアルさにテンションが上がる。展開や感傷に動じない主人公のプロ意識ぶりがかっこいい。プロフェッショナルを描いている映画はよい。



トゥルー・グリット
父を殺された少女が仇を討つため、飲んだくれの保安官と若いレンジャーと共に無法者を追跡する。わりと大仰な演出が多いと思ったら総指揮監督にスピルバーグの名が。凸凹なトリオがだんだんと団結してゆく様が美しく熱い。基本的に登場人物がだいたいカッコいいのがポイント高い。特に悪党に物怖じしない少女が小賢しいがカッコいい。呑んだくれで眼帯している老保安官も良い。レンジャーのマットデイモンもなかなかいい味出している。ラストバトルも熱い。西部劇の、良い意味での命の軽さというのはなんか好きで、西部劇を定期的に観たくなる理由でもある。SBRで言うところの『男の世界』というか。



『RUSH プライドと友情』『トゥルー・グリット』『スライディング・ドア』が良かった。

2014年の事

12月がマッハで過ぎ去った。そして過ぎ行く2014年。


一年間を総括するに、良くも悪しくもおおむね平穏に終わってしまったふうな感じがする。会社の業績は良かったものの、来期は外部環境的に厳しくなる事が確定的に明らかであるため懐が寒くなるだろう。そろそろ転職3年目ということで仕事はだいぶ慣れてきた。もう少し直接的に貢献できるような業務をしたいが、人手不足であるためなかなか難しい。


仕事と直接関係はないが、TOEICの勉強を始めて試験を2回受けてみた。2回目の結果は最近届いたのだが不甲斐ないことに1回目より若干悪かった。細々と勉強としていたのだけれど、1回目から2回目の間の勉強は、いわゆる手癖のような感覚でダラダラとしてしまっていたのがいけない。なんというか、続ける事自体が目的化してしまった。定期的にベンチマークを取らなければ。来年も受けるつもりなのできちんと勉強を続けたいと思う。


年明けに彼女ができたけれど半年後くらいに別れたりした。お互い会う時間が少なかったのと、それに伴い、熱を注ぎ続けるという事ができなかったのがよくなかった。


家が相変わらず静かにゴタゴタしていて落ち着かない。目処が付くのを見届けないと離れづらい。


自転車では初めて入賞(表彰台の端っこ)できた。得意だと思っていたヒルクライムではなく、周回のロードレースだった。また、よく行く峠でのタイムが1年ぶりに更新できたのも入賞と同じくらい嬉しかった。


結果だけを求めて自転車に乗っているわけではないけれど、結果が出ているとやはり嬉しく、自信にもなるものだ。真面目に乗るようになってそろそろ3年目にも差し掛かるところで、さすがに最初ほどぐいぐい成長している実感も減ったが、まだまだ伸び代はありそうなので楽しい。


自転車に付随してはじめた体幹トレーニングもわりと軌道に乗ってきた。なんとなく胸の部分が厚くなってきたのは嬉しい。腹筋もうっすら割れてきたが12月の忘年会シーズンで消滅の危機に。上半身のトレーニングは結果が見た目にわかりやすいのがよい。


映画というかDVDをよく観たが、去年の総括でも同じことが書いてあった。相変わらずローラーやりながら鑑賞というのが多い。去年とは違い記録を真面目に付けるようにしたのは良い傾向。一時期邦画を頑張って沢山観ようとしたが続かない。どうにも自分には向いてない感じがある。


読書時間が減っていてよろしくない。可処分時間をおおむね運動と勉強に割いてしまっているためだが、もう少しなんとかしたいと思う。ローラーやりながら読書が出来れば一番良いのだが物理的に難しい。筋トレのときにはプランクしながら読んでるけど2分しか読めない。


言い訳とか怒ったりとかそういった事が少しずつ増えてきているような感じがするのでいけない。また、決断力がちょっと鈍っているような気がする。悪い意味での子供っぽさを残したままこの歳になってしまっている感じがあるので、直したいと思う。


来年がおれと皆様にとって佳き年になりますよう。