お盆

何度か転職をしたが、どの仕事でもお盆に休むという慣習がある会社でなかったせいか、今の仕事でもあまりお盆だ休み帰省だーという感覚がない。東京生まれ東京育ちということもあるかもしれない。先週の金曜日には通勤も楽になるかなと思ったらぜんぜんそんな事はなくてムカついたし、今日も出勤したけれど、今日からは通勤が楽になりそれはそれでムカついた。

7年くらい前だが、青物横丁にある謎の飲み屋に占い師が居て、未来を占ってもらったことがある。謎のバアさんだった。10分近くずっと手を握っていたが、全然反応がないので顔色を伺ってみると寝息をたて始めた。トランス状態というのだろうか。数分間待ってあげたがもういいだろうと思い、大丈夫ですか、と声をかけたら、急遽トランス状態から戻ってきたのか、カッと目を見開き「あなた、もう何年もご先祖の墓参りに行ってないでしょ。」と言った。たしかに行っていなかったので、そうです、と答えた。「だからね、守護霊が視えなくて、あんまり未来が視えないの。」と言われた。マジか。視えんのか。そういう前提が必要なのか。それ先に言ってくれればお互い時間をかけずに済んだのにと思った。ガッカリして酒の席に戻った。

 

両親が岡山の産まれのため、ご先祖の墓はそこにある。おれが最後に行ったのは数年前だったふうに思う。何しろ遠いし、そもそも両親も毎年帰るわけでないものだから、何か特別な用事がないと、御墓参り単体を目的として行くことはない。

 

個人的に占いとか守護霊とかジンクスとかあんまり信じていない。有料で未来を占ってもらうくらいならば、同じお金で役に立ちそうな本を読みたいと思う。ただ信じていないから存在を否定するというわけでもない。たとえば、ストーリーとして『お墓参りに定期的に行っていないから守護霊が視えない。したがって、未来も視えない。』という展開そのものはなんとなく一貫性があり説得力もあって面白いなと思った(いちおう当たっていたし)。占い云々ではなく、ビジネスでも生活でもなんでも、何かと何かが繋がっている、繋げるという感覚や発想は、ここのところ個人的にはアンテナを張っている。